いつの間にか年老いた。
足取りは軽いつもりでも、反射する壁面に映る自分の姿にぞっとすることがある。
老化を受け入れることは簡単ではない。
まだ若かった頃、
若さゆえの心の高ぶりを持て余し、歳を取れば穏やかになれるかと思っていた。
確かに不要な背伸びをすることや、性急さは影を潜めた。
でもその奥にある心は、成長しないままの領域がある。
まだ幼い頃、自分の精神年齢と実年齢が一致しない感じがしたことがあった。
古い家に住んでいた影響で、精神が老熟してしまっていたのだろうか。
若さは失われても、柔らかい心でいたい。
若い頃の感性を失いたくない。
自分の心と十分に向かい合ってきたか。
長い問いは続く。